shanglira 2009年

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「シェイプド・ダイ」は、当時の大学院ゼミ生たちと考えた造語である。もともとは纐纈(こうけち)、つまり絞り染めの一種で、布を絞るかわりに凹凸をつけ、形作った布の溝 に染料を流し込んでいく方法である。プロセス上のちょっとした工夫が表現のバラエティーをもたらし、時に豊かなイメージを連れてきてくれる。当時の私たちは随分のめり込んでいた。そこには、アンリ・ミショーがメスカリンという麻薬の力を借りて描いたような壮絶さも、依存性もないのだが、天井のシミから動物の形を思い描いてしまう、子供時代 の空想と同じ楽しみがある。何かに依存しながら描くのは、ぬり絵と似ている。遊びたくなった時にフワーっと一気に作ることができてしまう。この作品は私を Shangrilaに連れて行ってくれた。

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H168×W178 cm(二曲屏風) 
絹布/デジタルプリント、シェイプド・ダイ、顔料プリント、手染め、箔押しなどの混合技法 (作家蔵) 

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